営業教育は社内か外部か? 営業研修の費用・会社選びの判断軸
営業教育を内製するか、外部の研修に頼むか。教える人・時間・実践支援を比較し、料金と社内工数、研修会社への確認事項を整理するための判断表とメモを用意します。
アイドマ・アカデミー 編
営業研修を探す前に、教育で変える行動を決める
営業教育を社内で行うか、外部に頼むかは、必要な内容を教えられる人がいるか、教える時間を確保できるか、実際の商談で使うまで支援できるかで判断します。研修会社に払う料金だけでなく、準備や受講後の振り返りに使う社内の時間も比べましょう。
ただし、成果が出ない原因をすべて教育で解決できるとは限りません。最近の商談を一件選び、提案を組み立てる技能が不足しているのか、顧客情報や商品の対応範囲、承認手順などに課題があるのかを確認するのが出発点です。
このガイドは、三浦和広氏の公開講座案内のテーマをもとに、編集部が判断表・比較メモを作成したものです。講師の発言の引用や実測した成功事例ではありません。
まず「何ができるようになればよいか」を一文にする
「営業力を高めたい」だけでは、社内で教える内容も、外部への依頼内容も比較しにくくなります。対象者、変えたい行動、確認する方法を決めます。
新人が、初回商談で確認した顧客の課題と判断基準をもとに、提案を選んだ理由と未確認事項を説明できるようにしたい。
これは編集部による架空の目標例です。自社の商材や商談の段階に合わせて調整してください。営業ヒアリングから提案につなげる確認表も使えます。
必要な能力の整理には、厚生労働省の職業能力評価シート(事務系職種)も参考になります。営業の評価シートが公開され、自己評価・上司評価から能力開発目標を考える面談ツールも用意されています。この記事の表は、同省の評価尺度を転載したものではありません。
内製・外部・併用を判断する比較表
次の表は、教育方法の候補を整理するための編集部の目安です。どの方法が常に優れているとは限りません。
| 確認すること | 社内で行う場合 | 外部に頼む場合 |
|---|---|---|
| 教える内容 | 自社の商材・顧客・商談事例を使って、判断理由まで説明できるか | 不足するテーマを扱い、自社への当てはめを考えられるか |
| 教える人 | 成果を出すことに加え、手順を説明し、練習への助言ができるか | 講師の専門性と、対象者・営業方法への適合を確認できるか |
| 用意する時間 | 教材準備、指導、振り返りの担当と時間を確保できるか | 受講時間に加え、社内で実践する時間を確保できるか |
| 練習と確認 | 商談に近い練習と、その結果を見る担当を用意できるか | 演習・個別フィードバックの有無と、社内で補う範囲が明確か |
| 費用 | 指導担当者と参加者の時間、教材・運営の費用を把握できるか | 料金に含まれる範囲と追加費用、社内に残る負担を確認できるか |
社内で商談事例と振り返りを用意できるが、共通の営業手順を教える人がいないなら、そのテーマだけ外部で学ぶ併用も候補です。反対に、外部講座に参加しても実践を見てもらう人がいなければ、受講後の支援を誰が担うか先に決めます。
営業研修の費用は、同じ範囲で比較する
公開講座の一人当たり料金と、講師派遣の一回当たり料金を、そのまま比べないでください。対象人数、実施時間、教材、演習、受講後の支援をそろえたうえで、見積もりに含まれるものを確認します。
この記事では一律の相場金額を置かず、実際の提供条件と見積もりで比較します。社内教育についても「講師料がないから無料」と扱わず、準備する人の時間を残します。
| 費用・負担の項目 | 確認する内容 |
|---|---|
| 参加・講師料金 | 一人単位か、一回・一社単位か。税の扱いと対象人数 |
| 教材・内容の調整 | 教材費、商材に合わせた調整費、資料を使える範囲 |
| 移動・会場・設備 | 交通・宿泊、会場、オンライン受講の環境を誰が用意するか |
| 社内の準備 | 依頼内容の整理、事例の用意、受講案内に必要な担当者の時間 |
| 受講する時間 | 参加人数と受講時間。通常業務への影響 |
| 受講後の支援 | 振り返りや追加相談が料金に含まれるか、社内で誰が担うか |
時間を金額へ換算する場合は、社内で合意した方法を使い、各案に同じ条件を適用します。支払額と社内の工数は分けて記録すると、違いを説明しやすくなります。
研修会社・講座を比較するときに聞く5つの質問
- 対象者と、受講後にできるようになる行動は何ですか。
- 自社で不足しているテーマを、どの内容で扱いますか。
- 演習やフィードバックはありますか。ある場合、誰がどこまで担当しますか。
- 見積もりに含まれるもの、別途必要になるものは何ですか。
- 受講後に社内で用意する実践・振り返りは何ですか。
回答を同じ比較表へ記入し、内容が分からない項目は追加確認します。「実践的」「成果につながる」といった説明だけで判断せず、自社が変えたい行動との対応を確認してください。すべての講座に個別支援が含まれるとは想定しないでください。
コピーして使える、社内教育・外部支援の比較メモ
| 記入欄 | 書くこと |
|---|---|
| 対象者 | どの担当者・チームに必要か |
| 現在のつまずき | 最近の商談で、どの行動ができていないか |
| 変えたい行動 | 何ができれば改善したと判断するか |
| 社内で担う内容 | 商材の説明、実案件の練習、振り返りなど |
| 外部に求める内容 | 社内で説明・指導しきれないテーマ |
| 支払額と社内の時間 | 各案の見積もり、準備・受講・支援の工数 |
| 確認する担当と時点 | 誰が、どの商談や練習を、いつ確認するか |
まず一つの課題・少人数で試す案も比較します。受講したかだけでなく、顧客の課題を説明できるか、提案を選ぶ理由が具体的になったかなど、最初に決めた行動を確認します。売上の変化だけでは、案件の違いや商品条件の影響と教育の効果を分けにくいことがあります。
よくある疑問
社内で成果を出している営業に教えてもらえば十分ですか?
成果を出す力と、判断理由を言葉にして教える力を分けて確認しましょう。実際の商談を使った説明、練習への助言、指導の時間が用意できるかを見るためです。
営業研修は安い会社を選べばよいですか?
料金だけでなく、人数、内容、演習、受講後の支援範囲をそろえて比較します。自社に必要な内容が含まれず、別の支援が必要になれば、当初の料金だけでは判断できません。
営業教育を外部に頼めば、社内の負担はなくなりますか?
依頼内容の整理、商材や顧客への当てはめ、現場での実践は誰かが担う必要があります。外部が担当する範囲と、社内に残る仕事を確認してください。
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