営業ヒアリングから提案につなげるには? 新人と確認する6項目

商品説明はできるのに顧客に合う提案ができない。営業ヒアリングの質問例、情報不足と提案判断の切り分け、提案前の振り返りメモを使って確認します。

アイドマ・アカデミー 編 

新人の提案が止まるとき、最初に確認すること

商品説明はできるのに顧客に合う提案ができないなら、「顧客の状況を聞き取れていない」のか、「聞いた情報を提案の理由に変えられない」のかを分けて確認しましょう。最近の商談一件のメモと提案書を並べ、顧客の課題、判断基準、提案を選んだ理由を新人に説明してもらうところから始めます。

このガイドは、新人を育成する営業責任者と、自分の商談を振り返る営業担当者に向けたものです。三浦和広氏の公開講座案内の顧客理解・購買心理・営業の手順・振り返りというテーマをもとに、編集部が確認表と練習方法を作成しています。講師の発言の引用や、実測した成功事例ではありません。

営業ヒアリングと提案営業をどうつなげるか

ここでは、営業ヒアリングを「顧客の現状、困りごと、判断に必要な条件を対話で確認すること」、提案営業を「確認した情報をもとに、解決策とその理由を顧客に示すこと」と整理します。質問項目を埋めるだけで終わらず、聞いた情報によって提案の内容が変わるかを見るための、この記事での実務上の整理です。

補足資料として、Zoho CRMの営業ヒアリングの解説も参考になります。顧客の状況を事前に調べ、課題を対話で確かめて提案へ進める流れを扱っています。以下の確認表・記入例は、編集部が独自に作成したものです。

商談メモで確認する6項目と質問例

質問を一度に読み上げるのではなく、相手の説明に合わせて確認します。顧客が話した事実、担当者の仮説、未確認の点を分けて記録してください。

確認項目顧客への質問例提案に使う情報
現状の業務今は誰が、どのような手順で進めていますか?利用する人と現在の進め方
困りごとと背景直近で困った場面を一つ教えていただけますか?問題が起きた具体的な状況
目指す状態何が変われば改善したと判断できますか?顧客が望む変化と確認方法
選ぶ条件比較するとき、特に重視する条件は何ですか?費用、機能、運用などの判断基準
導入する条件誰と相談して、いつまでに何を決める必要がありますか?関係者、時期、予算などの未確認事項
次に確認すること次回までに双方で確認することは何でしょうか?担当者と次の行動

初回商談ですべてが分かるとは限りません。答えが得られない項目は推測で埋めず、確認する相手とタイミングを残します。顧客の返答待ちと、営業側の未着手も分けてください。

ヒアリングの不足か、提案の組み立ての不足かを分ける

上司は、新人が実際に確認した顧客情報を使って、次の一文を書いてもらいます。

顧客は[状況]で[課題]に困っている。[判断基準]を重視しているため、[解決策]を提案する。まだ[未確認事項]を確かめる必要がある。

一文を書いたときの状態次に確認すること試す支援
顧客の状況・課題が書けない情報を聞いていないのか、メモに残していないのか商談の記録を確認し、次に聞く質問を一つ決める
課題は書けるが、解決策を選ぶ理由が書けない商品の対応範囲と、顧客の条件の関係を理解しているか二つの選択肢を比べ、合う条件・合わない条件を説明する
理由は書けるが、商談で伝えられない内容を短く整理できるか、顧客の反応を確認できるか顧客の課題を要約し、認識が合っているか聞く練習をする
必要な情報をそろえても、自社の解決策が合わない商品や提供条件で対応できる範囲か専門担当への相談、別案、提案の見送りを検討する

これは次の確認先を決めるための目安です。一回の練習だけで新人の能力を断定せず、上司の説明不足や自社商品の適合も確認します。

架空例:同じ「効率化したい」でも提案は変わる

業務システムを提案する場面を想定します。以下は説明用の架空例で、実際の顧客事例ではありません。

顧客が「月末の集計を早くしたい」と話しても、それだけで自動集計機能を勧めるのは早いかもしれません。「どの作業で時間がかかるか」を確認します。

  • 手入力が主な原因の場合:必要なデータを取り込めるか確認し、自動集計が適するか検討する。
  • 承認待ちが主な原因の場合:承認の手順や担当者を確認する。自動集計だけで待ち時間が短くなるとは限らない。

新人との振り返りでは、「上手に説明したか」に加え、「何を確認した結果、その解決策を選んだか」を聞きます。原因がまだ仮説なら、提案を確定する前に追加確認を行います。

コピーして使える、提案前の振り返りメモ

個人情報や社外秘を含む商談記録は、社内の取り扱いルールに沿って管理してください。

記入欄記入する内容
顧客が話した事実困った場面、現在の業務、求める変化
営業側の仮説原因だと思うこと、その根拠
提案する内容と理由どの課題に対応し、なぜこの案を選ぶか
対応できない条件自社の解決策の制約、社内に確認すること
まだ分からないこと顧客の判断基準、導入条件など
次の行動誰が、何を、いつ確認するか

まず一件の商談で使い、次回確認した情報によって提案がどう変わったかを振り返ります。受注したかだけでなく、顧客の課題と提案の理由を説明できるようになったかも確認してください。

よくある疑問

ヒアリング項目を増やせば提案できるようになりますか?

項目数だけでは判断できません。情報が足りないなら確認する質問を考え、情報がそろっていても提案できないなら、解決策を選ぶ理由を組み立てる練習をします。

商品知識の勉強を先に増やすべきですか?

商品の対応範囲が分からないときには必要です。ただし、顧客の課題が分からない状態を、商品知識だけで補えるとは限りません。どちらが不足しているかを商談一件で確認してください。

新人だけを練習させればよいですか?

上司も、見本の提案に至った判断理由を説明しましょう。チームで情報が共有されていない場合は、営業の成果が担当者任せになっているときの見直し方も使えます。

このテーマをさらに学ぶには

顧客理解、購買心理、営業の手順と振り返りは、「売るための理論」の公開講座案内で扱うテーマです。三浦和広氏の専門性・公開経歴も確認できます。開催日時・料金・参加条件は講座の最新案内をご確認ください。

悩み別の関連セミナー

記事で扱った内容は、以下のセミナーでも取り上げています。

  • 確認表を使っても、顧客情報から提案の理由を組み立てる手順が分からない

    関連するテーマ:顧客理解・購買心理・営業の型と手順、実践と振り返り

    営業研修「売るための理論」― 営業支援No.1企業のシークレットメソッド

    セミナーの詳細を見る

扱うテーマはセミナーの公開案内に基づく編集部の整理です。演習・個別相談・録画の有無、開催日時、料金、受付状況は各セミナーの最新案内をご確認ください。

関連する講師

出典・関連するセミナー

開催日程・参加条件・受付状況は、各セミナーの最新の案内をご確認ください。